自動車検査員資格とは?取り方や仕事内容を解説します 公開日:2022年12月5日


自動車整備士のステップアップとして、自動車検査員がよく引き合いに出されます。整備士の延長線上にあると思われがちですが、実際に行う業務や責任はまったく別ものです。

本記事では自動車検査員の概要と仕事内容、自動車検査員資格取得の条件と難易度について解説します。

目次

自動車検査員とは?

自動車検査員とは、整備や修理が終わった自動車が法律の定める状態で仕上がっているかを検査・証明する資格を持った人物のことです。自動車整備士とは別に自動車検査員資格が必須で、その役割と権限の大きさから「みなし公務員」と言われています。

検査員がいる整備工場のことを「指定工場」と言い、車検整備ができる工場を指しています。よく似た名前に「認証工場」がありますが、こちらは分解整備のみで車検整備はできません。

自動車整備士との違い

自動車整備士のステップアップとして知られている自動車検査員ですが、最大の違いは仕事の中身です。

自動車整備士は実際に車両を修理・点検する人であるのに対し、自動車検査員はその最終チェックを行う人です。実際に車を触るのか否かで判断するといいでしょう。指定工場には自動車整備士と自動車検査員の両方が在籍しているため、区別があいまいになるのも仕方ないかもしれません。


自動車検査員の仕事

自動車検査員の仕事の範囲は、主に以下の3つです。


  • ●完成検査
  • ●書類作成・保管
  • ●法令の通達・情報把握

  • 同じ工場に勤めていると、新人教育を任される可能性もあります。本記事では一般的な自動車検査員の仕事を紹介します。

    完成検査

    自動車検査員のメインの業務であり、みなし公務員と言われる理由です。整備士の手を離れて完成となった車検の車や事故車に保安基準上の問題がないかを確認します。

    もし自動車検査員が保安基準に適していないと判断した場合、再び整備士の方で分解整備が行われます。自動車が安全に走行できるようになるために必須かつ重要な業務です。

    書類作成・保管

    ここで言う書類とは、車検証や点検記録簿などのことで、自動車の完成検査が終わったことを証明する書類のことです。これら書類の作成権限も自動車検査員には与えられており、必ず着手しなければなりません。

    また、保管義務も設けられています。車検に関わる書類の一切を任されていると覚えておくと良いでしょう。

    法令の通達・情報把握

    自動車を取り巻く法律は、何かしらのタイミングで改正されることがあります。自動車検査員は法令に基づいて自動車の完成検査を実施しなければならないため、この情報を把握しておかなければなりません。

    顧客や自動車整備士に「法律が変わった」などの伝達をするのも役割のひとつ。すぐに対応できるような情報収集と、説明できるだけの情報把握が重要です。

    自動車検査員資格を取得するための条件

    自動車検査員資格を取得するには、自動車整備士の資格が必須です。1級もしくはシャシを除く2級の整備士資格がなければ、試験を受ける資格が与えられません。

    加えて、以下の条件も規定されています。


  • ●指定工場に勤務している
  • ●整備主任としての実務経験1年以上
  • ●整備主任者研修の修了

  • 自動車整備における最後の砦であるため、受験資格はかなり厳しく設定されています。これらの条件を満たしたうえで、全4回の自動車検査員教習を受講。その後の試験で合格すれば、晴れて自動車検査員として業務に携わることができます。

    自動車検査員資格の試験内容と難易度

    前章で解説した条件をクリアし、教習を受けたのちに試験に臨みます。
    試験は「検査に関する項目」と「基礎法令・整備士法令」の2つで計算と選択で回答します。試験問題は約100問回答しなければならず、合格ラインにも以下の基準が設けられているため要注意です。


  • ●全体の8割以上
  • ●鶴翔の正答率が6割以上

  • 例えば全体の正答率が8割を超えていても、どれかひとつの章の正答率が6割を割っていれば不合格となります。法令を扱う以上、厳格な基準が設けられていることを覚えておきましょう。

    合格率

    気になるのは合格率です。厳格な基準が設けられているため合格率が低いのかと思いきや、一般的には50%程度の受験者が合格しています。

    しかし、複数回受験しているなどの要素もあるため、1回で合格した人数に関しては正確には把握できません。また、合格率は実施される時期によって異なり、低い時期や地域では10%を下回ることもあります。

    毎年出題の傾向は変わるため、これと言った勉強法や対策があるわけではありません。しかし、過去問題を繰り返し解くことで一発合格した人もいるため、基本的には過去問題をどれだけやり込むかが重要になるでしょう。

    まとめ

    自動車検査員は自動車整備士とは違った面で大きな責任を負わなければなりません。しかし、自動車検査員となれば多くの工場から引く手あまたになるでしょう。

    自動車検査員資格に挑戦するためには2級もしくは1級整備士の資格が必須とされています。読売自動車大学校ではコースによるものの、卒業時に2級・1級の受験資格が与えられるため、自動車検査員を目指すのであれば効率のいい学習手段になるでしょう。

    資料を見ていただいたり実際に足を運んでもらったりすることで、わかる仕事の良さや責任の重さもあると思います。少しでも興味があれば、ぜひ一度資料を取り寄せてみてください。

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