整備士不足が深刻化|その理由や国・整備工場の対策を解説します! 更新日:2022年12月5日
自動車整備士という職業を選択する人は年々減少傾向にあります。日本自動車整備振興会連合会によると、令和3年度の自動車整備士の平均年齢は46.4歳で、1年前と比較して0.7歳上昇。このように整備士の高齢化も見過ごせない問題です。
この記事では、自動車整備士が不足している原因とその対策、自動車整備士の将来性について解説します。
自動車整備士が不足?その原因は?
一般社団法人 日本自動車整備振興会連合会 自動車整備士が不足している原因は、主に4つあるとされています。
自動車そのものに触れる機会が少なくなったこと、購入しようにも以前より高額になりつつあることから、若者の車離れが進んでいます。結果、自動車に関わる仕事に対する興味関心が薄れ、自動車整備士の不足にもつながっていると考えられています。
日本の人口問題として少子高齢社会になり、労働の担い手が少なくなっていることも自動車整備士不足の原因のひとつ。若い担い手が少なくなることで、自動車整備士の高齢化が進み、自動車整備士の母数が年々減少する一因となっています。
自動車整備士の仕事に対して「重労働で給料も安い」という先入観を抱いている方も少なくないでしょう。工場によって異なるものの近年では労働環境は改善傾向にありますが、そのことが認知されていないためいまだに敬遠する若者も多いようです。
自動車整備工場の約70%は従業員10人以下と言われており、大企業のような募集ができていません。整備士の不足状況については日本自動車整備振興会連合会が調査しており、全体の約半数が「不足している」と回答しています。
(引用:国土交通省)
以上のように自動車整備士の不足状況は深刻化しており、これらの状況から各方面で対策が講じられているのです。
整備士不足に対する各方面の動き
自動車整備士不足に対しては、主に国(国土交通省)と整備工場がそれぞれ対策を講じています。それぞれの対策について、詳しく解説します。
国(国土交通省)
自動車整備士資格を統括する国土交通省は、整備業界の慢性的な人手不足に対する対策を始めています。
2022年5月に有識者で発足された「自動車整備技術の高度化検討会」によると、自動車整備の高度化が人材不足の一因であると指摘。「自動車整備の高度化に対応する人材確保に係る検討ワーキンググループ」を立ち上げました。
このなかで検討されている事項には、一種養成施設への入学者増加策や復職の促進、外国人採用が掲げられています。しっかりとした方針は決まっていませんが、2022年内には具体的な対策がまとめられる予定です。
整備工場
整備工場は重労働や低賃金などの先入観の払しょくに向け、各工場で労働環境を整える努力をしています。
代表的なものとして、冷暖房設備の設置や週休2日の確保が挙げられます。また、以前は工業系の高校・大学を卒業した人を対象に求人を出していましたが、より多くの人材確保を目的として資格の有無や卒業した学科に関係なく人材募集を開始しています。
また、人材不足を解消するため待遇や労働環境の改善に取り組んでいる整備工場も増えており、有資格者であればひと昔前までは考えられなかったような高給で採用されるチャンスもあります。
自動車整備士の不足はチャンスでもある
自動車整備士不足は非常に深刻である反面、自動車整備士のニーズは拡大傾向にあります。その理由として以下の2つが挙げられます。
一台の車の寿命が延びたため
近年の車の進化は目覚ましく、性能の向上に伴って車そのものの寿命も長くなってきました。しかし、一台の車を長く乗るとなれば、修理や交換などのメンテナンスが必要になります。仮にあまり乗らなかったとしても部品は経年劣化するため、一定のタイミングで必ず交換することになるでしょう。
1日でも長く同じ車に乗るために、自動車の点検・修理ができる自動車整備士は重要な人材。自動車の点検・整備については法律でも義務付けられており、技術の進歩にかかわらず自動車整備士の需要が一気になくなることはないでしょう。
電気自動車、水素自動車、自動運転などの先進技術に対応するため
現在は法整備が進められている段階ですが、将来的には自動運転技術を搭載した車が一般化すると考えられます。加えて、電気自動車やEV、水素自動車などガソリンエンジン以外を動力とする自動車も増えていくでしょう。車検や修理ができる自動車整備士の存在は、こうした変化に対応するためにも不可欠です。
さらに詳しい解説は、以下のコラムをご覧ください。
▶自動車整備士の将来性とは?現状や需要、今後の役割を解説します!
自動車整備士として活躍するためには?
自動車整備士として活躍するためには、自動車整備士資格を取得することが先決です。現在では未経験・無資格で雇用し、経験年数を積んで資格を取らせる整備工場も増えてきました。
しかし、整備業界が求めているのは即戦力。入社前から整備士資格を持っている人材であれば、整備工場も快く迎え入れてくれるでしょう。
読売自動車大学校は、2年ないし4年間の授業の履修で整備士試験が受験できる専門学校です。従来の自動車整備に関わる内容はもちろんのこと、日進月歩の新技術に対応する基礎的な知識や技術習得も授業内で扱います。特に1級整備コースを卒業すれば、現場で重宝される存在になれること間違いなしです。
詳しい学校案内は、パンフレットやオープンキャンパスにて紹介しています。
まとめ
現状では、自動車整備士の人数は不足していると言わざるを得ません。しかし、国や整備工場は自動車整備士を増やすために対策を講じています。日々高度化する自動車の技術に対応できる整備士が求められる昨今、自動車整備士を目指すという選択も将来の可能性に含めてみてはいかがでしょうか。
本校は読売新聞グループの安心と創立50年の実績があり、これまで多くの卒業生を輩出し自動車関連業界はもとより、多くの職種で活躍しています。
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