電気自動車のメリット・デメリットとは?ハイブリッド・EVとの違いも解説 公開日:2022年12月5日
環境面への配慮から、ハイブリッド車が人気を集めています。そんななか、Hondaが完全電気で走行する車を市販化し、話題となりました。時折耳にする電気自動車ですが、今後普及するにあたって知っておきたいことが多くあります。
本記事では電気自動車と環境性能に優れるとされるほかの車との比較、普及率やメリット・デメリットについて解説します。
電気自動車とは?
電気自動車とは、その名のとおり電気を動力にした車のことです。ガソリン車と違い蓄電池にたまった電気を使用して走りつつ、走行によって得られた電力を新たに蓄える仕組みを採用しています。
環境配慮の側面からヨーロッパを起点に開発が開始され、現在では世界中の自動車メーカーが開発に取り組んでいます。2030年にはガソリン車を完全撤廃するという国も現れ、新時代のモビリティとして注目を集めている存在です。
ハイブリッド、水素自動車との違い
電気自動車によく似た存在として、以下の2種類が挙げられます。
いずれもガソリンをメインの動力源としないとする一方、その特徴は微妙に異なっています。以下に一覧で違いをまとめました。
主な動力源 | 仕組み | 主要なメーカー | |
---|---|---|---|
電気自動車 | 電気 | バッテリーに貯められた電気で動きつつ、新たに発生させた電気を蓄える | ホンダ、日産、トヨタ、マツダ、三菱、レクサス、テスラなど多数 |
ハイブリッド車 | ガソリン+電気 | ガソリンで始動し、走行中は電気の力で動く | 自動車メーカーほぼ全社 |
水素自動車 | 水素 | 水素を動力源にし、水素のみで動く | トヨタ、ホンダ、ヒュンダイ(ヒョンデ) |
ハイブリッド車にはいくつかの種類があるものの、主なポイントは同じであるため本記事では割愛します。
比較表を見てみるとそれぞれ特徴が異なることがわかります。いずれも環境に配慮した車ではあるものの、それぞれ別の技術を使用していることを覚えておきましょう。
日本における電気自動車の普及率
環境性能の高さがウリの電気自動車ですが、普及率は決して芳しくありません。
2021年の新車販売台数のうち、日本国内では約2万台が電気自動車となっています。これは販売された新車台数240万台のうちわずか1%程度。普及が進んでいるとは言いがたい状況です。
この状況を打破すべく補助金が適用されたり、軽EVが開発されたりとさまざまな変化が起きています。海外では10%以上の割合で伸びている国もあり、日本の普及率の低さが際立ってしまっています。日本国内での早急な普及が進むのか、今後の動きに注目です。
電気自動車のメリット
電気自動車によく似た存在として、以下の2種類が挙げられます。
それぞれ詳しく解説します。
災害時に非常電源として活用できる
電気自動車最大のメリットが、災害発生時に非常電源として使用できる点です。ガソリン車でもオプション設定で装備できる車も増えてはきたものの、大容量となると電気自動車にはかないません。
日産が販売しているリーフは、フル充電状態で2~4日間、一戸建てで使用する電力の供給が可能としています。ガソリン車やハイブリッド車には到底できない芸当であり、注目を集めています。
人や環境にやさしい
環境面での性能が高いのも電気自動車の強みです。排出ガスが出ないことはもちろん、発電に太陽光やバイオマスエネルギーを使用できるのも注目されているポイントと言えるでしょう。
また、走行中の静穏性が高いのもメリットのひとつ。道路状況などで左右されるものの、快適なドライブを楽しむことができると注目されています。
ランニングコストが安い
ランニングコストが安い理由は、ガソリンや軽油などの化石燃料を使用しないためです。日本は原料となる石油が産出できず、100%海外からの輸入に頼っている状況です。
国際情勢の悪化や経済事情に左右されやすい反面、価格変動が少ない電気を利用して走る電気自動車はランニングコストが優れていると言えるでしょう。
電気自動車のデメリット
優れた性能を持つ電気自動車ですが、同時にデメリットも存在しています。代表的なものに次の項目があります。
メリット同様、こちらも詳しく見ていきましょう。
充電に時間がかかる
ガソリン車の場合、数分の給油で終了するものの、電気自動車では急速充電を利用しても30分以上時間がかかります。仮に160km走行するのに必要な電力を普通充電で満たそうと思うと、100V電源で14時間以上かかるとも言われています。
今後の技術革新でさらに手軽になる可能性はあるもの、現段階では決して利便性が高いとは言い切れません。
充電ステーションが普及していない
充電ステーションは大きな商業施設や道の駅、コンビニエンスストアなどに設置されているものの、ガソリンスタンドと比べるとその数は6割程度にとどまります。
国主導の政策で普及する可能性はありますが、こちらも現段階では課題とみていいでしょう。
本体価格が高額
電気自動車が国内で普及しない背景にあるのが本体価格です。量産体制が整えば解決できる問題ではあるものの、コンパクトカーでも300~400万円台という決して安くない価格であることが足を引っ張っているとも言われています。
補助金を利用しても、ガソリン車と比べて高額になりがちなので、普及にはもう少し時間がかかると考えたほうが良いかもしれません。
電気自動車の今後の動き
電気自動車を巡っては、今後国や自治体、メーカーの努力が必要とされています。一方で懸念材料となるのが自動車整備士の知識・技術不足です。
令和9年から新たな資格区分に変更されるものの、現在電気自動車の整備ができる人員は限られています。今後、電気自動車が普及するにつれて、ガソリン車やディーゼル車とは違う技術・知識を持った整備士が必要になります。制度変更の背景には、そのような問題も関係しているのです。詳しくは「自動車整備士の資格区分が変わる!新区分の内容と試験の変更点まとめ」を参考にしてください。
読売自動車大学校では、カリキュラムの中で電気自動車に関わる学習も実施。今後訪れる電気自動車の時代を見据えて学ぶのであれば、本校で学ぶことを検討してみてはいかがでしょうか。
本校のことを詳しく知りたいという人はぜひ資料請求をしてみてください。
まとめ
欧米に比べて電気自動車の普及率が芳しくないものの、次世代モビリティとして注目を集めている電気自動車。社会的に解決しなければならない点が多くあることは明白ですが、それと同時にガソリン車一強の時代も終わりに向かっています。
新しい技術に触れ、かつ車を守っていく一員として、電気自動車も点検・整備できる整備士を目指してみてはいかがでしょうか。
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