板金塗装とは?仕事内容や適性、おすすめの資格を解説します 公開日:2022年12月5日


自動車についた泥汚れは水で落とせますが、事故や災害で車体に傷やへこみができてしまった場合は板金塗装で修理が必要です。

本記事では、自動車における板金塗装とその需要、作業の流れや板金塗装の仕事に向いている人の特性を解説します。持っていると良いとされる資格もあわせて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

目次

自動車における板金塗装とは?

自動車における板金塗装とは、板金と塗装を一緒に行われている作業のことを指します。ひとまとめで説明されることも多いのですが、それぞれ別の仕事です。詳しく見ていきましょう。

板金

板金は車についてしまった傷やへこみのある部分の交換や補修を行う作業です。具体的にはへこみの裏側から叩いたり、引っ張り出してもとに戻したりします。

また、事故でボディフレームが歪んでしまった際に行うフレーム修正も板金業の仕事です。詳しくは「車の板金に資格は必要?関係する資格や必要な資質を解説」で解説しています。

塗装

塗装は読んで字のごとく、車のボディに色を塗る仕事です。必要な塗料を調合し、修理する部位や交換前の部品を塗装します。

また、塗料の調合や塗装以外の作業として、塗装面を整えたり磨き上げたりする仕事も含まれます。

板金塗装の流れ

板金塗装の大まかな流れは次のとおりです。

1.板金作業

傷・へこみの大きさや深さを確認し、板金の方法を決めます。可能であれば専用工具を用いて板金作業を実施。不可能な場合は交換部品を取り寄せて、塗装後に交換します。


2.下地作業

板金作業終了後に下地塗料を塗る工程です。車の塗装は何層かになっているため、下地塗が欠かせません。また、凹凸になっていて板金では戻せない箇所がある場合は、パテなどを使用して表面を滑らかにする必要があります。


3.塗装作業

下地塗料乾燥後、車体のカラーのあわせて塗装を行います。ほかの場所に塗料が飛ばないように養生を行います。塗装後はコンパウンドを使用して磨き上げ、完成です。

簡単そうに見えるため、DIYでできるのではないかと挑戦する人がいます。大きさによってできないことはありませんが、ごく小さな傷程度しか対処できないと思っておきましょう。

基本的にはディーラーや修理工場、板金塗装の専門店やカー用品店に依頼するのがベストです。

板金塗装に向いている人の特徴

一般的に、板金塗装の仕事に向いている人は以下のような特徴があります。

  • ●車が好き
  • ●手先が器用
  • ●集中力がある
  • ●向上心がある
  • 自動車関係の仕事に就く際のよく言われる「車が好き」という条件は欠かせないでしょう。


    また、手先が器用で集中力があるのも大事な素質。ひとつひとつの部品は大きいものの、実際に作業をするとほかの箇所を傷つけたり塗料が飛ばないようにしたりと気を使う場面が多くあります。おおざっぱな性格の人には向いていないかもしれません。

    板金塗装の需要は減っている

    車の修理に欠かせない板金塗装ですが、新車の販売台数は年々減少しており、板金塗装の現場では「仕事が減った」と感じている人も多くいます。自動車に衝突被害軽減装置が装着され始め、交通事故件数が減ったことは喜ばしい限りですが、その分、自動車に板金塗装を依頼するほどの傷やへこみがつきにくくなっているとも言えます。

    また、事故に備えて保険に入っていても、板金塗装で保険を使用してしまうと翌年の保険料が上がってしまうため、保険を使わず自費で直す、あるいは修理自体をしない選択をする人もいるようです。

    車全体の塗り直しや事故による板金の需要そのものがないわけではありませんが、自動車に関わる仕事で安定的な収入を得たいと考えるなら、板金塗装以外にも対応できる自動車整備士などのキャリアも検討してみましょう。

    板金塗装で働く際に取得しておきたい資格一覧

    自動車における板金塗装で働く際に、特別な資格は必要ありません。しかし、持っておくと信頼性の保障になったり、給与アップにつながったりするものもあります。

    詳しくは「車の板金に資格は必要?関係する資格や必要な資質を解説」で解説しますが、どのような資格がおすすめなのかを一覧にまとめました。

    資格名 資格区分 概要
    自動車整備士資格 国家 エンジンやブレーキの脱着ができる資格。カーディーラーや整備工場で働く際に持っていると有利。
    自動車車体整備士 国家 フレームやボディに特化した知識と技能を有する資格。板金塗装と最も関係が深い。
    塗装技能士 国家 自動車の板金塗装で必要なものは金属塗装作業資格。独自基準がある会社もある。
    有機溶剤作業主任者 国家 塗装に使用するシンナーを扱うために必要な資格。試験そのものは難しくない。
    ガス溶接技能士・アーク溶接技能士 国家 溶断・溶接・加熱作業の知識と技術を保証する資格。板金塗装以外でも役に立つ。
    カラーコーディネーター 民間 微妙な色の違いを判別できる資格。関連する資格が多くある。

    上記資格の中でもぜひ取得しておきたいのが、自動車整備士資格です。整備士の不足によって無資格でも雇ってもらえないことはなくなってきたものの、入社前から資格を持っていると重宝されるのはいうまでもありません。


    入社条件を自動車整備士2級以上としている会社も多い反面、独学で取得するにはハードルが高い資格でもあります。


    読売自動車大学校では、卒業時に自動車整備士資格2級に挑戦できる「自動車整備学科」と1級に挑戦できる「1級整備学科」を用意。「1級整備学科」の必修カリキュラムには板金塗装も含まれているため、在学中から板金塗装の知識を深めることができます。


    自動車の板金塗装に携わりたい方は、ぜひ一度本校のオープンキャンパスに遊びに来てください。まずは資料請求からという方も大歓迎です。

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    まとめ

    自動車の板金塗装は車に乗る人がいる限りなくてはならない仕事です。車が好きで、さまざまな車に触れたいという方には、非常にやりがいを感じられる仕事でしょう。

    しかし、多くの自動車に衝突被害軽減装置が搭載され、衝突を伴う交通事故は減少すると予想されています。傷やへこみを直す板金、車のボディに色を塗る塗装の需要が少なくなるのも自然の流れです。

    板金塗装を仕事にしたい人には、板金塗装以外の専門性も兼ね備える自動車整備士を目指すことをおすすめします。本校で自動車整備を学びながら、板金塗装の知識も習得しませんか?

    本校は読売新聞グループの安心と創立50年の実績があり、これまで多くの卒業生を輩出し自動車関連業界はもとより、多くの職種で活躍しています。
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